CMCとは、革の裏面(床面)処理やコバ処理する時に使う溶剤のことです。
販売している革の裏面(床面)は毛羽立っていて処理しない革が多いです。
処理せずそのまま使うと、毛羽立ちが衣類などに付いたり、汚れたりします。
毛羽立ちを抑え、汚れることを防ぐのがCMCです。
CMCのメリット
CMCを使うメリットは
同じ役割を持っているのが、「トコノール」「トコフィニッシュ」です。呼び名はメーカーにより変わります。
違いはトコノールは購入してすぐ使えますが、CMCは粉末で販売しているので、都度自分で作らなければいけません。
少量の粉末から作るので、安価で済みます。
価格が安い、自分の好きな分量を作れることから、1枚革の処理に使うことが多いです。
革やさんでは何枚も床面処理をするのでバケツに作って使っているところもあります。
CMCを塗ると毛羽立ちが無くなり、滑らかな表面になります。
CMCのデメリット
デメリットもあります。
メリットでも述べたように、CMCは自分で作ります。自分で作る手間と、半日から1日置いて粉をなじませるので、すぐには使えません。
そして、数日~数週間放置するとカビが発生します。そのために必要分だけ作ります。
CMCの作り方
作り方は簡単です。
- 10gを200mlのぬるま湯又は湯で溶かします。
- ダマになりやすいので、よく混ぜます。
- 半日~1日おいてなじませます。
上記の作り方は一例です。5gに100mlなど、自分で量を調整して作ることもできます。
CMCの分量に対して湯を多くし薄くすることもできますが、薄くしすぎると毛羽立ちを抑える効果は薄れます。
反対に分量に対して濃く作ると、しっかりとした滑らかな表面になりますがCMCがダマになりやすくなります。
★分量はメーカーにより異なるので、使用方法をよく読んで分量通りに作ってください。
CMCの使い方
- スポンジ、ヘラなどで裏面(床面)に均等に伸ばします。
- ガラス板などで余分なCMCを取り除く、又は伸ばします。
- 伸ばすと同時に表面をキレイに整えます。
- 完全に乾かします。
- 毛羽立ちが気になるようなら、アイロンでしっかり押さえつけて表面をキレイにします。
アイロンを使用する時は、革の端などで試しアイロンをしてから、全体に使用してください。
以下は注意事項です。
- オイルの染み込んだ革にアイロンをあてると、革の表面の色が変わることもあります。オイルが溶けて表面加工まで染み出てきたためです。
- 高温で革にアイロンをあてると縮んだり、焦げたりすることがあります。
- 完全にCMCが乾かずにアイロンをあてると、CMCが剥がれたり焦げたりします。