今日は手縫い作業が入って難しいですが、比較的単純な型紙で少ないパーツでできる通帳ケースを作ります。

・・・と言う建前で
自分用の通帳ケースを作ります♪
自分用として作ったので、条件は以下になります。
通帳は持っている分を収納するためではなく、カバンに入れて持ち運ぶために通帳とカードをまとめるために作ろうと思いました。
ポーチに入れて持ち運んでいましたが、雑多な感じだったので

せっかくレザークラフトで作れるのだから作ろう!
ちょうどいい革もあったので、作ることを決心しました。
私的な理由で始まった製作ですが、「こういう通帳ケースが欲しかった♪」と言ってくれる人がいると願って、今日は通帳ケース(2ポケット)を作っていきます。
通帳ケースの型紙をダウンロードしよう
はじめに通帳ケースの型紙をダウンロードしましょう。
型紙の作り方
- 上記のPDFデータをダウンロードします。
- お持ちのプリンタなどでA4用紙に100%のサイズで印刷します。
- 線に沿ってキレイに切り取ります。
普通紙に印刷してもいいですが、厚みのある用紙の方が型を取りやすいです。
管理人くじらこの使用している用紙はこちら↓
通帳ケースに必要な材料
革を準備しますが、注意点があります。
薄かったり、やわらかすぎると通帳の出し入れがしにくいです。
ガチガチに硬い、厚みがありすぎるのも使いにくいです。
難しいですが、革を選ぶ時は触りながらほどよい厚み・硬さを選んでください。
今回使用する材料は
2つの材料だけです。
あとは飾り付けやアレンジなどで+αします。
通帳ケースを作っていきましょう
型紙・革の準備ができたら、通帳ケースを作っていきましょう。
革を選ぶ

画像ではもう型紙を写してますが、革を選びます。
管理人くじらこが選んだ革です。在庫の中にあったヨレヨレの革で厚み2mmほどあります。「ちょっと厚みがあるかな・・・」と思ったけど、多少厚みがあってもOK!(自分用だし)というのもあり、決定です。
革に型紙を写す

革の伸びる方向を確認しながら型を写していきます。
革が伸びる方向とは・・・
やわらかい革だと部分的に伸びの違い出てきます。硬い革は比較的伸びにくい傾向にありますが、必ず確認してください。

通帳ケースの場合はポケットの出し入れが多いのでポケットの横方向が伸びないようにします。
縦方向が伸びるように型紙を写してください。
もし縦・横方向に伸びやすい革なら縁を手縫いして、伸びの補強をします。
又は裏地として革を貼りつけて伸びないようにします。

革を裁断していく

革を裁断していきます。

革の端を使っているので波打っている部分があります。

自分用だしおもしろいかなって理解したうえで波打っている部分を使うことにしたの
こうやって市販では使われない部分を使って、オリジナルなモノを作っていくのがおもしろいところです。失敗を恐れずに色々チャレンジしてみてください。
裁断時の注意!

注意したいのが、本体とポケットを重ねてから裁断します。
そうすることで、コバ(切り口)が揃ってキレイな見栄えになります。
今回は本体はぐるりと裁断して、ポケットはサイドを残しました。貼り付けてから裁断します。
ポケットのコバ磨みがきをする

縫い付けた後に磨きにくい部分のコバをキレイに整えます。
通帳ケースの場合は、ポケットの口の部分です。
トコノールとコーンスリッカーを使います。切り口にトコノールを塗り込み、余分なものはいらない布などで拭き取り、コーンスリッカーで擦って、毛羽立ちをおさえていきます。

裁断するとこば(切り口)が毛羽立っています。このままの状態で使い続けると、もっと毛羽立って見た目もよくないし、使いにくくなります。
鞄や服などに毛羽だった粉が付いたらイヤですよね。
コバ(切り口)をキレイにすることで見た目も使いやすさもよくなります。
カードの差し込み口を作る

本体とポケットを貼り付ける前に忘れてはいけないのが、カードの差し込み口作っておくことです。
今回は縦に差し込むように設計しましたが、横に入れたい人は
を必ず確認してから、切り口を入れてください。

カードが入るか必ず確認してください。
※画像では同じサイズの紙を差し込んでいます。

差し込み口の幅を切りカードが入ることを確認したら、両端を穴あけポンチで丸くしておきます。
切ったままだと使い続けているうちに裂けてきます。丸く刳り抜くことで裂けにくくします。

差し込み口の作業の最後にはコバ(切り口)をトコノールで磨きます。
この部分もカードの出し入れでよく使うので、メンドウですがコバをきちんと磨いてください。
本体とポケットを貼り付ける

ポケット部分の処理が終わったら、次は本体をポケットを貼り付けます。
ゴムのり、革用ボンド、両面テープなどで貼り付けてください。
今回は両面テープを使っていきます。

本体側に両面テープを貼っていきます。ポケット部分の高さを合わせます。

両面テープをポケット部分に貼り付けたら・・・

銀ペンで写した線を本体に合わせて、キレイに合うように貼り合わせます。
ポケットのサイド部分を裁断する

難しいかもしれませんが、本体に合わせてポケットも裁断します。

ここでひとまず半分に折って出来上がりを想像します。
今のところ順調に進んでいるかな。
菱目打ちで穴を開ける

次はポケットを縫い付けていきます。このブログでは初めて『手縫い』の作業が入ります。

「ディバイダー」という道具で、まずは穴を開ける印をつけます。
ディバイダーについてはこちらの記事を参考にしてください。
コンパスのような道具ですが、両方の先がとがっています。
革の端から〇mmの位置に薄く傷をつけてラインとします。

ディバイダーで薄く線を付けました。

薄く付けた線に沿って、菱目打ちで穴を開けていきます。
今回は6mm(刃の中心から中心までの幅)の菱目打ちを使いました。
- 革が厚い
- 通帳を入れるだけなので強度は必要ない
- ざっくりとしたデザインにしたい
- 縫う時間が短縮される
このような理由から、大きめの菱目打ちを使いました。
鞄など強度を持たせたい時は5mmや4mmの菱目打ちを使います。しかし手縫い自体が丈夫になる作り方なので、ものすごく強度の差が出るわけではありません。

くじらこの場合は縫う時間の短縮の理由が一番大きいわ
革小物などの場合は菱目打ちの幅は気にしなくてもいいです。

菱目打ちで穴を開けました。

今回の使っている革は厚みがあり伸びにくいので、ポケットの部分だけ縫うことになりました。
半分に折る部分は縫いません。
菱目打ちで穴を開ける時の注意点

菱目打ちに穴を開ける時は、縫い目をキレイに見せたい面から菱目打ちを打ち込みます。
通帳ケースの場合は外側です。内側は自分しか見えないので、多少縫い目は乱れても構いません。
内側にあるポケットの境目の穴を開ける位置です。ポケット側を菱目の刃で裁断しないようにしてください。
麻糸の色を選んで、手縫いする

今回候補に上がったのは、キナリ・茶・こげ茶・オリーブの4色です。
革は明るいブラウンなので、どれも合います。
キナリ・・・明るい雰囲気になる
茶・・・革のブラウンを同系色
こげ茶・・・雰囲気が引き締まる
オリーブ・・・ナチュラルな雰囲気になる
各色のイメージはこんな感じになります。
どの麻糸の色で縫うかは楽しくもあり、悩ましくあります。それぞれの色の持つイメージを想像しながら選ぶといいですね。
茶系の色は革と合わせやすいので、どれでも合います。
どの色を選んでもいいです。色の組み合わせに間違いはありません。組み合わせが個性となるので、色んな組み合わせをチャレンジしてみてください。

今回は無難に「茶」にしました。上の画像では右から2番目の色です。

革の厚みがあるので、1ポケット分の長めの3倍です。

右利きの人は外側を右に、左利きの人は外側を左にして手縫いしていきます。
はじめの2~3穴分は2重に縫います。

縫いあがりました。30分くらいかな。

内側。ほぼ出来上がりですね。
コバを磨みがいて整形する

仕上げのコバ磨きをします。
ポケットの一部はコバ磨きしましたが、次は本体の周囲をぐるりとコバ磨きをします。

使っていて、一番擦れる部分がコバです。ここは丁寧に磨いていきましょう。

最後に真ん中の折り目をつけます。
ローラーを使っても、手で押さえるようにしてクセをつけていきます。
使っているうちに馴染んでくるので、ここは神経質になる必要はありません。
出来上がり!

出来上がり!
通帳とカード(同じサイズの用紙)とお札を入れてみました。

閉じるとこんな感じ。少しズレていますが、多分初めに書いた裁断前の波打っている部分があったため。
使っていくと馴染んでくるので、気にしません。

通帳ケースを持って銀行に行くのが楽しみだわ!
通帳の中身はさみしいけどね・・・
作業記録
作業記録を記しておきます。
作業時間:約2時間
革:牛革 12DSほど
材料:麻糸
道具:銀ペン、カッター、定規、トコノール、コーンスリッカー、菱目打ち、木槌、ゴム板など
こちらの記事でも道具を紹介しています。
この記事で使用した道具はこちら
通帳ケースは少ない道具で作れる革小物です。
これからレザークラフトをするなら、必ず持っていた方が良いです。そろえてくださいね。
革の床面(裏面)の処理をする時に使います。トコノールを使用してもいいです。
革に型紙を写す時に使います。
革を裁断する時に使用します。革包丁を持っていない、慣れていない人はカッターで裁断してもいいですよ。
大きめのカッター板が望ましいです。
カッターで使う定規を使用してください。
コバの処理に使います。床面(裏面)を整えるのにも使えます。
コバ磨きに使います。
穴を開けるのに使います。
レザークラフトのゴム板は硬めです。
木槌は軽いので、女子におすすめ。音が出ます。
まとめ

自分用が作れて満足よ♪
前から作ろうと思っていた通帳ケースを作れて満足でした。
けれど反省点もあります。
どれもくじらこは気にしないのでいいのですが、ここら辺が少し気になった点でした。
もし、お札を入れなくて、通帳のみ入れるなら、型紙のサイズ調整をしてください。
型紙の調整の仕方はこちらの記事です。
通帳ケースは普段使いにできます。また手帳カバーやカードケースカバー、名刺入れなどに応用できます。
これらは作り方はほとんど同じでサイズのみが違うので、通帳ケースが作れるようになればどんどん他の革小物を作れるようになります。
ぜひ作ってみてください。
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